ソファ（素材について）

ソファーは日常の疲れを癒してくれる、ホッとできるアイテム。形状ももちろんのこと、素材の質でも座り心地は大きく変わります。そんな、ソファーの素材についてご説明いたします。

心と身体に深い安らぎをもたらす落ち着いた革の質感

古くから、私たち人類が最も長く愛用してきた身近な素材、本革。きめ細かでしっかりとした風合いや、使えば使うほど重厚感を増して味わい深くなる点は、まさに本革ならではの魅力です。また、熱や摩擦に強く、伸縮性、吸放質性に優れるなど、機能面においても他の合成皮革や布地にはかなわない特長があります。美しく、耐久性に優れた本革こそ、永くお使いいただける最高の天然素材といえます。

上質な時を過ごすコツは、気負わずナチュラルにつきあっていくこと。本革製のソファーは、ひとりひとりの個性に合わせて、より豊かなライフシーンを創造します。

高級な皮ほど「薄化粧」になります

見た目は同じような革も、原皮の質によって仕上げ方法が異なります。キズなどが少ない最高級の革は、表面の美しさをいかすため、塗装を最小限に控えた仕上げを行います。この仕上げは「素上げ調仕上げ」と呼ばれ、天然素材のしなやかな風合いが最もいかされています。

次に、中級以上の革に行われるのが「スムーズ仕上げ」。素上げ調仕上げに対し、わずかに厚く塗装しますが、革の風合いや肌触りはほとんど変わりません。

ほかにも、革の天然じわを残しながらソフトな型押しを施した「ネオスムース仕上げ」や、強めのプレスで均一なシボを表現した「型押し仕上げ」があります。

縫い合わせの少ない革を使うほど高価です

一枚の革でも部位によって繊維構造や色が異なりますので、一頭の牛の革をそのまま使用することはごく稀です。そのため、一枚革のような縫い合わせの少ない大きな革ほど高価となります。

革の傷は「本物の証」

使用されている革の表面に、キズがみられる場合があります。このキズは、木材に虫食いの跡があるのと同じく、天然素材ならではのもの。いってみれば、本物の証なのです。

見えないから見逃せないソファーのクッション材

ソファーを選ぶ際、デザインや表張材といった外観上の好き嫌いも大切ですが、それ以前に肝心なのが掛け心地です。楽な姿勢がとれ、長時間座っていても疲れにくいことは、快適なひとときを過ごすための重要ポイントです。

その掛け心地を左右するのが、バネをはじめとするクッション材。さまざまな種類のなかから、用途やデザイン、そしてコストに見合う最適なクッション材が選ばれ、理想的なスタイルがつくられていくのです。下記にて、ソファーの要ともいえる、バネ材を主としたクッション材についてご紹介させていただきます。

連結式鋼製組バネ

: 通称Sバネと呼ばれるS字形をした鋼製バネを連結棒でつないだバネで、適度な弾力性と耐久性を備え、ソファー用の緩衝材として、現在最も広く普及しているバネです。

連結式鋼製S&Cコイルバネ

: 適度な弾力性をもつS組バネを、反発力に富んだ朝顔形のコイルバネで支えるという構造です。それぞれのバネの特長を兼ね備えることにより、ソフトでしかも弾力のある座り心地を実現。Sバネ仕様のソファーに比べて耐久性にも秀でています。

連続高密度鋼製バネ(GRスプリング)

: 抜群の弾力性と復元力で、欧米で高い評価を得ているドイツ製特殊バネです。1シートあたり60個にもおよぶ高密度で配置されたコイルが身体をきめ細かくサポート。底部のS組バネとあいまって、ソフトでしなやかなクッション性と、優れた耐久性とを両立させました。

連結式鋼製包みコイルバネ

: 弾力性に富んだ鼓(つづみ)形コイルバネを圧縮し、丈夫なナイロンネットに収めました。すき間なく配列されたコイルが身体をサポート。底部のS組バネとあいまって、座り始めはソフトで、次第に反発力を増すという理想的な掛け心地と、抜群の耐久性を実現しています。

連結式鋼製コイルバネ

: 朝顔形や鼓(つづみ)形をした鋼製コイルバネを枠線でつないだバネです。荷重によってバネ定数が変化、座り始めはソフトで、重みがかかるにつれて反発力が増すという、ソファーに最適な特性を備えています。バネ材としての歴史は古く、現在でもクラシックタイプの高級ソファーなどに用いられています。

ゴムシート(エラストフラム)

: 厚さ5ミリ程のゴムシートをソファー本体の木枠にテンションをかけて取り付けるクッション材。取り付けが容易で、きしみ音がせず、軽量、頑丈でかさばらない、などの特長があります。ゴムの柔軟な性質を生かした粘りのある座り心地を生みます。

モールドウレタン(成形発砲ポリウレタンフォーム)

: 専用の鋳型(モールド)を使って発砲させた軟質ウレタンです。フィット感に富んだ自在成形が特長で、表面にできるスキン層によって、一般的に用いられるスラブ(板状)ウレタンを凌ぐ反発弾性と耐久性が得られます。

V型ツイストバネ

: S型バネをV字形に折り曲げ、弾力性を高めた鋼製バネです。主に背もたれのクッション材として使われます。ソファーにもたれかかった際、表面層のウレタンフォームのソフトなタッチに加え、ツイストバネがショックを吸収。「奥行のある」心地良い背あたりを生みます。