眠りについて
実に、人生の3分の1は睡眠です。そんな大切な時間を有意義にするためにも、眠りの仕組みについて簡単に知っておきましょう。
睡眠こそ疲労回復の決め手
睡眠中は、ただ単に寝そべっているときよりも身体の疲労回復が早く進みます。エネルギーの蓄積、体の補修、疲労回復の役割を担う副交感神経の働きが、睡眠中に高まる仕組みになっているからです。体の疲れを取るためには、高価な栄養剤を飲むよりも、まずはしっかり睡眠を取る方が大切なのです。
脳のブレイクタイムは睡眠だけ
脳は頑張り屋です。私たちの精神をつかさどるだけでなく、体を動かす命令を出したり、外界の刺激を感じ取ったり、とても多くの作業をこなしています。人の脳は2kg程度ですが、そんな体重の数%にすぎない部分が、全身が必要とするカロリーの25%を消費しているほどです。そして、そんなに頑張って働いているにもかかわらず、人の脳は睡眠しているときしか休息を取ることができません。睡眠は、生きていくために欠かせない、大切な脳のブレイクタイムなのです。
睡眠のコツは寝ている間のストレスを無くすこと
人の眠りには、深い眠りのノンレム睡眠と、夢を見たりして意識がぼんやり動いているレム睡眠と呼ばれる状態があります。レム睡眠では、脳は外界からの音や刺激を、起きているときと同じように感じ取っています(寝ている人が呼びかけにこたえたりするのはそのためです)。そのため、寝心地が悪い、明るい、さわがしい、などのストレスがあると、脳は落ち着いていられず、うまく休息を取れません。
寝心地が悪い状態などは血行も悪くしますから、体の疲れもうまく回復できません。寝ている間、体にかかるストレスをいかに少なくするのかで、睡眠の価値が変わってくるのです。
熟睡できる理想のベッドの条件とは
それでは、熟睡できる理想のベッドとはどのようなものでしょうか?一般的には、次の条件を満たすベッドが、快適な睡眠をもたらすといわれています。
- 正しい寝姿勢を保つことができること
- 頚椎・背中・腰へのSカーブが立位(4〜6cm)の時の半分2cm〜3cmが適切です。
- 寝具の体圧分布が良いこと
- 体圧分布とは身体にかかる圧力のことです。圧力がまんべんなく分布している状態が適切です。正しい寝姿勢の時には、体圧分布も良くなります。
- 保温性が良いこと
- 理想的な寝床内の温度は、33℃といわれています。暑すぎず熱を逃がさないという、バランスが重要です。
- 通気性が良いこと
- 理想的な寝床内の環境は、湿度50%といわれています。人は1晩にコップ1杯程の汗をかきます。それがマットレスや寝具などに吸収されますから、うまく通気できることが、高温多湿な日本の気候では特に大事です。